
「相続対策のつもりで不動産小口化商品を持っているが、今後もそのままで大丈夫だろうか」。最近、そんなご相談が増えています。令和8年度税制改正で、この分野の相続税評価のルールが大きく変わることが決まったためです。今回は、専門用語をできるだけ噛み砕いてご説明します。
■何が変わるのか
令和8年度税制改正大綱(2025年12月19日公表)により、任意組合型・信託受益権型などの不動産小口化商品は、取得時期にかかわらず相続開始時の「通常の取引価額(時価)」で評価されることになりました。適用は令和9年(2027年)1月1日以降の相続・贈与からです。
これまでは、路線価などをもとに評価額を圧縮でき、最大で80%前後の節税効果があるとされてきました。改正後は、この仕組みが原則として使えなくなります。「小口化商品を持てば相続税を大きく減らせる」という従来の考え方が通用しなくなる、という点が最大のポイントです。
■賃貸不動産の「5年ルール」も同時に変わる
同じ改正で、相続開始前5年以内に取得・新築した賃貸アパートやマンションも、路線価方式ではなく取得価額をベースにした時価に近い評価へと見直されます(令和9年1月1日以後の相続・贈与から)。「駆け込みで不動産を買って評価を下げる」という手法にも、大きな制限がかかります。
なお、通達など細かい部分は今後の公表を待つ段階(2026年7月時点)で、判断が難しいグレーゾーンも残っています。
■では、今お持ちの商品はどうすべきか
大切なのは「節税効果が薄れる=すぐ手放すべき」ではない、という点です。
不動産小口化商品には、少額から不動産に投資できる・リスク分散ができるといった、節税以外の意義もあります。
ご自身の資産全体・ご家族の状況を踏まえ、保有を続けるか見直すかを総合的に判断することが重要です。
■まとめ
令和9年からは、不動産を使った相続対策の「常識」が変わります。焦って動くのではなく、改正後のルールを前提に、ご自身の対策を一度点検してみることをおすすめします。
相続サポートセンター|橘税理士事務所では、相続に関しての無料相談を承っています。
「今の対策のままでいいか不安」という方は、お電話(04-2957-3111)、またはこちらよりお気軽にお問い合わせください。